猫と暮らしていると、
「最近トイレに行く回数が増えた」
「おしっこの量が少ない」
「トイレで鳴くようになった」など、
ちょっとした変化に気づくことがあります。
これらのサインは、泌尿器系の
病気の初期症状かもしれません。
実は、泌尿器系のトラブルは
猫の健康問題の中でも
とてもよく見られるものです。
特にオス猫や高齢猫、
肥満気味の猫は要注意です。
進行すると重症化する
可能性もあるため、
早めの対策と日頃の予防が
大切になります。
この記事では、猫の泌尿器系の
病気について、
初心者の飼い主さんにも
分かりやすく、原因や症状、
そして予防法について
解説していきます。
猫の泌尿器系の病気ってなに？
猫の泌尿器系の病気とは、
膀胱や尿道に関連する
トラブルの総称です。
獣医学的には「猫下部尿路疾患（FLUTD）」
と呼ばれることもあり、
いくつかの病気が含まれます。
たとえば以下のような病気があります。
- 膀胱炎
- 尿路結石
（ストルバイト結石や
シュウ酸カルシウム結石） - 尿道閉塞
（特にオス猫に多く見られる） - 特発性膀胱炎
（原因が特定できないが
炎症が起きるもの）
これらの病気は放置すると悪化し、
尿がまったく出なくなってしまう
こともあります。
尿道閉塞は命に関わる
緊急事態になるため、
少しでも異変に気づいたら、
早めに動物病院を
受診することが大切です。
どんな症状が出るの？
泌尿器系の病気は、見た目には
元気そうに見えても、
実は体の中で深刻なトラブルが
進行していることがあります。
飼い主が気づきやすい
主な症状には
以下のようなものがあります。
- トイレに頻繁に行くが、
あまり尿が出ていない - おしっこに血が混じっている（血尿）
- 排尿時に苦しそうに鳴く、痛がる
- トイレ以外の場所で粗相をする
- いつもよりトイレの時間が長い
- お腹を触られるのを嫌がる
- 食欲不振や元気がなくなる
特に
「おしっこがまったく出ていない」状態は
非常に危険です。
数時間以内に対応しないと
命に関わるケースもあります。
普段のトイレ習慣を
しっかり観察しておくことが大切です。
泌尿器系の病気の主な原因
それでは、なぜ猫は泌尿器系の
病気になってしまうのでしょうか。
いくつかの主な原因について解説します。
水分不足
猫はもともと
砂漠地帯に住んでいた動物で、
水をあまり飲まなくても
生きていける体の構造をしています。
しかし、
それが現代の生活環境では
逆に泌尿器の
トラブルを起こす原因になります。
特にドライフード（カリカリ）だけを
与えている場合、食事からの水分が
ほとんど取れないため、
自然と尿が濃くなってしまいます。
濃い尿は膀胱や尿道に負担をかけ、
炎症や結石の原因になります。
食事のバランス
フードの成分に含まれるミネラル、
特にマグネシウムやリン、
カルシウムのバランスが崩れていると、
尿路結石ができやすくなります。
また、人間の食べ物や
塩分の多いおやつなども、
泌尿器系に負担をかける原因となります。
安価なフードにはミネラル量の
コントロールが不十分なものも
あるため、成分表示を
確認する習慣を持つと安心です。
ストレス
猫は非常に繊細で、
環境の変化に敏感です。
引っ越し、家族構成の変化、
新しい猫の迎え入れ、
騒音など、些細なことが
大きなストレスになります。
ストレスがたまると膀胱の神経や
ホルモンバランスに影響が出て、
特発性膀胱炎
という形で現れることがあります。
これは細菌感染ではなく、
心身のストレスが原因で
起こるため、治療よりも
環境の見直しが重要になります。
肥満と運動不足
肥満はさまざまな病気の原因に
なりますが、泌尿器系の病気も
例外ではありません。
運動不足で代謝が落ちると、
尿が濃くなったり
膀胱の機能が低下したりします。
特にオス猫は尿道が狭く
詰まりやすいため、
体重管理と適度な運動は
予防の基本といえます。
トイレ環境の不備
トイレが汚れていたり、
数が少なかったりすると、
猫は排尿を我慢することがあります。
長時間の我慢は
膀胱への負担となり、
炎症や細菌感染の
原因になります。
猫の数より1つ多いトイレを用意し、
清潔に保つことが
予防にはとても重要です。
今日からできる予防法
泌尿器系の病気は、
日々の暮らしの中で
予防することができます。
ここでは今日から実践できる
具体的な方法をご紹介します。
水をたくさん飲ませる工夫
- 複数の場所に水皿を設置する
- 毎日新鮮な水に交換する
- 水飲みが少ない場合は、
循環式給水器を使ってみる - ウェットフード（缶詰）を
取り入れて、水分量を増やす
水を飲む量が増えると、
尿が薄まり、結石や炎症の
リスクが下がります。
尿路ケアに対応したフードの導入
市販されている「尿路ケア用フード」は、
結石予防や尿のpHバランスを
整える成分が配合されています。
すでにトラブルを抱えている猫には、
獣医師の指導のもと
療法食を与えるのが理想です。
ストレスの少ない生活環境をつくる
- 落ち着ける場所を確保する
- 急な模様替えや引っ越し時は配慮する
- 一匹でゆっくり過ごせる時間を作る
- 遊びの時間を取り入れて気分転換を促す
猫にとっての安心は、
心と体の健康につながります。
トイレ環境の見直し
- トイレは常に清潔に保つ
- 猫の数＋1個以上を目安に設置する
- 落ち着いて排泄できる静かな場所を選ぶ
トイレを快適に保つことは、
排尿トラブルを防ぐ第一歩です。
まとめ
猫の泌尿器系の病気は、
身近でありながら油断できない問題です。
原因は水分不足や食事、
ストレスなどさまざまで、
気づかぬうちに
進行してしまうこともあります。
しかし、飼い主が毎日の生活の中で
少し気をつけるだけで、
予防できることもたくさんあります。
猫の健康は、
日々の小さな観察と
工夫の積み重ねで
守ることができます。
愛猫のトイレ習慣や体調の変化に
目を向け、安心して過ごせる環境を
整えてあげましょう。
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